クラーナハ展に行ってきました。
2016.11.30 Wednesday
現在、上野の国立西洋美術館で開催中のルーカス・クラーナハ展を見てきました。
僕たちが学生だった頃、クラナッハと呼ばれていましたが、なんで今さらクラーナハと
発音を変えたのかわかりませんが、どちらにしろ日本ではあまりなじみのない画家ではありますね。
時は16世紀初頭、ルネサンスといえばフィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアなどイタリアが真っ先にイメージされますし、ダビンチやミケランジェロなどは誰もが知っている巨匠ですね。
同じころドイツにも北方ルネサンスと言ってイタリアの影響を受けつつも独自の文化が花開いておりました。
そのころ当地で活躍したのがこのクラーナハやデューラーたち。
ドイツ人らしく職人の技を極めた精緻で堅牢な作品は、イタリアの明るさや優雅さとは違う魅力があります。
作品からは固く暗い印象を受けるので、日本人には好き嫌いがはっきりでるのではないでしょうか。
どちらかというと玄人好みで一般受けはしないかもしれませんが、ダビンチやラファエロの作品と比べてその国の違いなどを想い比べながら見るのも面白いと思います。
今展は日本では初の大規模な回顧展でもあり平日でも結構なお客さんがいらっしゃってました。
作品はというと、ピンキリです。
というのもこの時代絵は画家が個人で描くものではなく、工房制で職人たちが分業でたくさんの作品を制作していたのでどれだけ親方であるクラーナハの手が入っていたかに左右されるのです。
なので質にばらつきが出るのは仕方のないことで、厳密な線引きは出来ませんが、惚れ惚れする作品も散見できました。
またあまりこうした回顧展ではやらない企画(中国の贋作画家たちに模写をさせた作品がクラーナハの新作と並べて展示してある)なども展示していたのでそちらも楽しめます。
なかなか普段はお目にかかれない作品なので皆さんもぜひご覧になってはいかかでしょうか。