『エル・グレコ展』『ラファエロ展』はしごしてきました。
2013.03.29 Friday
例年になく早く咲いてしまった桜満開の上野公園で、現在開催中の
「エルグレコ展」(東京都立美術館)、「ラファエロ展」(国立西洋
美術館)をはしごして見てきました。
上野の山は春休みということもあり、平日にも関わらず花見にたく
さんの家族連れで賑わっていて、花曇りの中、盛りを過ぎようとし
た桜が風に舞い散り桜吹雪が舞っていました。
さて、まずはもうすぐ終了するエル・グレコ展から。
一般的にはラファエロに比べて知名度も人気も今一なグレコです
が、教科書で見かけた方も多いのではないでしょうか。
いびつなまでに上下に引き伸ばされた細長い体、ぎらつくような
明暗法、浅く詰め込まれた空間表現などが大きな特徴です。
時代はちょうど日本では戦国時代末期から江戸初期にあたる頃に
スペインで活躍したギリシャ人画家です。
そこからついたそのまんまのあだ名グレコ(ギリシャ人)。
日本人には宗教色が強いので好き嫌いが分かれるみたいですが、
当時のスペインの他の画家たちと比較しても、異才を放ちながら
もファンも多かったようです。
単なる写実にとどまらず、独特の荒々しいタッチとどこか薄暗く
抑制された色調で、宗教画の世界はもちろん肖像画でも迫力が
ありながら哀愁と独特の世界観が感じられます。
宗教画を多く手掛けているため、実際の教会などに大きな傑作が
多く、これだけの作品を一度に見るのは日本ではなかなかない
画家です。
もうあとわずかですが貴重な機会だと思いますので是非お花見
がてら行かれてみては?
http://www.el-greco.jp/
ラファエロ展はまた後日。